自由なチーム運営 〜 ビジョンと価値観を共有する

僕がチームを任されたときのことは以前にこのように書いているが、もう少し多くを話してみたい。

まずは、チーム運営のやり方について。日系でも外資系でも同じようだけど、チームの運営方法は完全にマネージャーに委ねられる。つまり、マネージャーである僕と、僕の上司が合意したビジネス目標さえクリアできれば、極端な話、チームに何を言おうが、どう運営しようが、一義的には指図を受けない。

これってこわい話でもある。昨日までチームを率いたことのない人が、突然チームを任せられることは、誰しも必ず1回はある。もし、チーム長になる前に、当時の上司が教えてくれたり、チームマネジメントの一部を委任してくれれば良いのだが、外資の場合はそれがないケースも珍しくない。その点、日系の方が、マネージャー研修やOJTなどで、次のリーダーやマネージャーを組織的に育てようとする気運が高い。

僕の場合は、チームを率いる前から、「チーム長になったらこうしよう」という強い思いがあった。それだけ反面教師が多かったのである。「これは良いマネージャーだなぁ」と思えた経験が少なかったから、過去の特定の上司のイメージを強く引きずることにはなったけれども。

リーダーシップとマネジメントの違いについても、あらかじめイメージはできていた。リーダーはビジョンを語らねばならず、共有すべき価値観を明確にし、皆の理解を求めなければならない。求心力である。

そのため、就任早々に、目指す方向とチームが大事にする価値観を箇条書きにし、チームミーティングで配って話した。しかも、ビジョンや価値観は話が大きいゆえに、日常の業務で思い続けることは難しい。僕は、最低限6ヶ月に1回、チームの目標と達成度合いを確認する会議を開くのだが、その時間の半分以上をビジョンと価値観の確認作業に充てる。

外資系は、個人主義が強いと思われがちであるが、今どき1人でできる仕事などたかが知れている。チームワークは不可欠で、それゆえにチームの人と共有するゴール、そして価値観を合わせていく作業というのはとても大事だ。

しかも、国籍が違う人がいる。なので、日本的な「頑張って行きましょう」とか「普通はこうやるものです」といった曖昧さは何の役にも立たない。はっきりと、「自分はこう考える」「優先順位はこうだ」ということを伝えないと、そこで迷いや誤解が生まれてしまうのだ。

そういう論点は、会話でも文書でも、英語の方が向いている。日本語が話せる外国人がいても、この手の話は英語で行うと、曖昧さが排除されてよい。特に、僕は微妙な表現の英語が話せないから、尚のこと良いようである。




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